「突き指」その② 突き指でよく起こる基節骨骨折。きれいに整復しないと指が曲がってしまいます。。。
前回の続きです。
「突き指」にはいろんなケガがあって、骨折することもあるとお話ししました。
今回はそのうちの一つ、基節骨基部骨折(きせつこつきぶこっせつ)についてご説明します。
ここの骨折は、大きなボール(バスケットボールやサッカーボールなど)で突き指をしたり、
転倒して指を地面についた時に起こりやすい骨折です。
もっとも気を付けなければならないのは、
捻じれて折れたりするので指同士が重なってしまう変形を残すことがあり、要注意です。
これをオーバーラッピングフィンガーと言います。
では、実際に来院された患者様の例で解説します。
この患者様は11才の女の子で、「サッカーボールで突き指」をして負傷されました。
指を握ってもらうと、小指が薬指の方に曲がって重なってしまっています。
このまま骨癒合してしまうと、指を曲げるときにとても不便ですから、もとの形に直さなければいけません。
そしてこれが怖いのが、指を伸ばした状態だと気が付かないことなんです。
この写真を見てください。
よく見ると右手の小指は左手の小指と少し向きが違いますが、
指を握った時ほど変形が目立ちませんね。
患者さんはおろか、医療機関でも見落とされるケースもあって、要注意です。
こういった骨折は小指に多いのですが、小指の場合に気を付けるべきポイントは
・小指が薬指とくっつけられない(黄色楕円)
・爪の向きが左右で違う(黄色矢印)
・握った時に薬指と重なってしまう(または異様に離れてしまう)
です。(ちなみに骨折しているのは赤矢印の場所です)
こういった兆候があったら、整復してから治さないといけないので要注意です。
そのまま固定するという治療では、骨がくっついても後々に困ることになります。
この患者さんは、折れた直後に直接当院に来てくださったので、
すぐにエコーを撮って骨折していることを確認し、
提携医療機関でレントゲン検査をしていただき、
その後当院で徒手整復、整復後にレントゲン検査
という流れでキレイに治すことができました。
*時間がたってしまうと整復が難しくなり、場合によってはもう戻せなくなってしまいます。
当院初診時のエコーがこちらです。
骨折部の小指側は開いていて、親指側がつぶれており、全体として手の甲側に曲がっているタイプの骨折でした。
この後すぐに、提携医療機関にてレントゲン検査をしていただきましたところ、エコーで見た通りの折れ方でした。
黄色矢印の部分が骨折で変形している箇所です。
そんなにひどくズレているわけではないのに、あのように指が重なってしまうんです。
怖いですよね。。。
レントゲン写真で患者さんにご説明した後、すぐに整復して元の形に戻し、そのまま固定しました。
ご覧のように、もう小指は薬指と重ならないです。
整復後のレントゲン写真がこちら。
ぴったり奇麗になりました!
整復は簡単ではないですし、患者さんはとても痛いのでお互い大変ですが、
無事に元の形に戻って安心です。
さて、今回の患者さんのように、ご本人は突き指だと思っていても骨折しているケースがあり、
しかもそれを放置してしまうと、指が曲がって後遺症が残ってしまうという例をご紹介しました。
突き指と言ってもいろんなケースがありますので、「どうせ突き指でしょ」と楽観視せずに、
一度は専門家に見てもらうことをお勧めします。
放置しすぎてちゃんと治らなくなってしまっている患者さんが後を絶ちません。。。
特に昭和世代の球技経験者の方!
過去に突き指をたくさんしてきた方は、突き指で医療機関にかかる意識がないので要注意ですよ。。。
*当院のHPでご紹介しているが画像データなどは全て、患者様の同意をいただいたうえで掲載させていただいております。
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