手首の骨折(橈骨遠位端骨折)、ちゃんと治してもらっていますか? 実はズレたまま固定されているケースが本当に多いんです。。。

サッカー中に転倒して手首を骨折した14歳の男の子が来院されました。

整形外科さんにて、整復(ズレた骨を元の位置に戻すこと)をしてもらったものの、

痛みが強くシーネ(固定用のあて木)を付けていられないとのことで、緊急に来院されました。

 

ちゃんと整復されていない可能性があったので、すぐに提携病院でレントゲン検査をお願いしました。

保護者の方に聞くと、整復は良好と説明を受けていたようなのですが。。。

その時のレントゲン写真がこちらです。

 

残念ながら、まだズレていますね。。。(黄色矢印の部分)

しかも骨端線の部分でズレているので、きれいに戻して治さないと正常に伸びなくなってしまい、

将来的に骨が曲がっていってしまう恐れがあります。(骨端線についてはこちらをご参照ください)

わかりやすいように、イラストを追加して拡大した写真がこちらです。

こう見るとだいぶまだズレていますよね。。。

したがって、ここからまた整復しなければなりません。

 

二回も整復されてかわいそうなのですが、成長障害を残さないために仕方ないところです。

 

 

整復後、奇麗に戻ったことをエコーで確認して、ギプスを巻きました。

ギプス固定後のレントゲン写真がこちらです。

拡大した写真はこちら

 

無事、ぴったり治っています!!

25日目にギプスを除去した時のレントゲン写真がこちらです。

ここまで奇麗にして癒合すれば成長障害の心配はありません!

その後リハビリをして無事サッカーに復帰できました。

 

 

手首の骨折(橈骨遠位端骨折:とうこつえんいたんこっせつ)は非常に多い骨折で、

日常的によく見る骨折なのですが、残念ながら整復がうまくいっていないケースが多い現状です。。。

 

少し曲がっていても、成長とともに元に戻る(リモデリングと言います)例も多いのですが、

その間(1年~数年)は曲がったままですから、最初に戻しておいた方が良いですよね。

 

しかも今回のケースのように、骨端線部分の骨折の場合は奇麗に戻さないと成長障害の恐れがあります。

もし手首の骨折をしてしまった場合は、きちんと整復されているか要注意です。

 

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