ももかん(筋挫傷)の正しい対処法とは。合併症が起こる場合があるので要注意!

サッカーで相手選手の膝がももにぶつかり、筋肉を傷めた男の子が来院されました。

いわゆる「ももかん」というやつですが、地域によって呼び方が異なるようですね。

 

ズボンを上げて患部を見てみると、めちゃくちゃ腫れています。。。

写真だとそこまで衝撃的ではないですが、実際に見た時には1.5倍くらいに見えました。

 

さすがに歩くのは大変そうで、だいぶ足を引きづっていました。

原因を聞くと、相手選手の膝が思いっきりももにぶつかったとのこと。

 

このような受傷の仕方の場合は、肉ばなれではなく、筋挫傷というケガになります。

簡単に言うと、「筋線維が切れてしまう“肉ばなれ”」と、「筋肉の中に内出血を起こす“筋挫傷”」という違いです。

 

 

腫れと痛みで膝は90度しか曲がりません。

90度しか曲げられない場合は中等度と分類されます。

45度しか曲げられない場合は重度と診断されます。

 

 

すぐにエコーで確認してみると、、、なんと筋肉が裂けたように見えます。。。

筋肉を動かしてみると、裂け目に内出血が溜まっています。

 

通常の筋挫傷ではこのように見えることはなく、深部に黒い内出血の塊が見えるものなのですが、

今回の患者さんは、筋肉が裂けるようにして内出血したようです。

 

 

すぐにアイシングをして圧迫包帯を巻きました。

このアイシングの仕方が、肉ばなれの場合と異なるので要注意です。

筋挫傷の場合は、痛めた筋肉を伸ばす姿勢にてアイシングをしてください。

 

ももの筋挫傷は主に中間広筋や外側広筋に起こりますので、それらの筋挫傷の場合は、

膝をできるだけ曲げた状態(痛みを我慢できる限界まで)で行います。

 

肉ばなれか筋挫傷かどうかは、本来は専門家の判断が必要ですが、スポーツ現場で簡単に判断するには以下の通りです。

・ももに何かが直接ぶつかった、衝突した → 筋挫傷

・接触なしで痛めた(ダッシュ中に痛みが出たなど) → 肉ばなれ

 

 

さてこの患者さんは、約2週間で膝が正常に曲がるようになり、

ジョギングから徐々にスポーツ復帰していただき無事治癒となりました。

初診から治癒までのエコーがこちらです。

 

裂けた跡がちょっと見えますが、もう裂け目が開いたり痛みが残っていたりしていないので治癒となりました。

 

 

アイシングの肢位のほか、筋挫傷で気を付けることとして、骨化性筋炎(こつかせいきんえん)という合併症に注意するということです。

骨化性筋炎とは、本来筋組織が再生する箇所に骨化が起こってしまう疾患です。

これがひどくなると膝が曲がらなくなってしまい、治るまでに相当時間がかかってしまいます。

 

適切な処置をしなかった場合、

痛めた筋肉を強く揉んだり強い刺激をした場合、

無理してスポーツを継続した場合、

等に起こると言われています。

 

上記のことを気を付けていても起きてしまう場合もあるのですが、せめてリスクを減らすためにこれらに気を付けてください。

骨化性筋炎が起きた場合は、痛みが長引く、安静にしていても痛みがある、

いつまでも膝がちゃんと曲がらないなどの症状で判断し、

エコー検査やレントゲン検査で診断できます。

 

 

実際に中間広筋の筋挫傷から骨化性筋炎に移行してしまった患者さんがいらっしゃいました。

初回のエコーがこちらです。大腿骨の直上に黒い領域があり血腫(内出血がまったもの)が見えます。

 

2週後のエコーがこちらです。

初回の血腫の場所に、白く骨化した像が見えます。

 

 

 

“ももかん“(筋挫傷)は割と多いケガで、医療機関を受診しない方もいるかもしれません。

無理をしたり、間違った処置をしてしまうと上記のようなことも起こりうるので、

もし“ももかん”が起きてしまった場合は、すぐに専門家に診てもらってくださいね。

 

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